入試問題にはその学校の思想、というと大げさですが、「こういう問題が解ける子どもに来てほしい」という思いが宿っていると思います。
では、どんな力が必要なのか、実際の入試問題をご紹介しながら、考えていきましょう。
今回は算数の問題から。
まずは、奈良の西大和学園中の問題です。
下の表の4個の氏名を左から右へ7個並べる。隣り合う2個の「氏名」では、左にある「氏名」の「名」の文字数と右にある「氏名」の「氏」の文字数はいつも同じ。1番目の氏名は表の4個のどれでもよく、同じ「氏名」を何度用いても、使わなくてもよい。
<列の例>
<1番目> <2番目> <3番目> ………………<7番目>
にし タロウ かわい タロウ やまと マミ …………… にし タロウ
並び方の異なる『列』は、何通りできますか。
まず、この問題は、日本語で書いてある条件を読み取り分析する「読解・分析力」と1番目は4通り、2番目は…と「樹形図などで具体化しそこから論理的に展望する力」が必要だと言えます。
1番目は4通り、2番目以降は2通りずつ、つまり並べ方は4×2×2×2×2×2×2=256通り、となります。
次は、四天王寺中学の合否分岐問題。
図のような縦3cm、横2cm、高さ5cmの直方体がたくさんあります。
図の直方体2個を、面積が最も大きい面ではりあわせて「直方体1」を作ります。2個の「直方体1」を、面積が最も大きい面ではりあわせて「直方体2」を作ります。この作業をくり返して、「直方体5」を作りました。
直方体5の表面積は何平方cmですか。
まず直方体1はすぐできますね。5cm×3cmの面が最も大きい面ですから、そこをはりあわせます。すると、2cmの辺が2倍になり4cmの辺ができます。そしてできた直方体1は縦3cm、横4cm、高さ5cmですから、今度は4cm×5cmの面が最も大きい面になり、そこをはりあわせます。すると3cmの辺が2倍になり6cmの辺ができる、という具合に作っていくわけですが、これを表にして考えてみます。
すると、そこに規則があることに気が付くわけです。直方体1から2、2から3となるときに、『最も短い辺の長さが2倍になる』という規則です。これがわかってしまえば、あとは同じように作っていけば、直方体5の縦は12cm、横8cm、高さ10cmとわかりますので、表面積も求まるわけです。
この問題を解くために要求されるのは、「条件を具体化し、規則性を発見する力」というわけです。
もう少し身近な入試問題をご紹介しましょう。
香川大学教育学部附属高松中学校の2009年の入試問題です。
円周が直径の3倍より大きく4倍より小さいことを図1、図2に線をかき入れて説明せよ。
ここでは「図形の性質・法則を活用する力」が必要となります。皆さん、解答を考えてみてください。
ちなみに・・・
同じとは言いませんが、東京大学の入試問題にこんなのが出題されたこともあります。
円周率が3.05より大きいことを証明せよ。
実際には三角比を用いて解いていく問題ですが、子どもたちに要求する「力」は共通するものがあるように感じますね。
次回は理科の問題を解くための「力」についてご紹介します。
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